読書と勉強に役立つブログ

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100年の難問はなぜ解けたのか-天才数学者の光と影(新潮文庫) 春日 真人

数学がそれほど得意というわけではないのに、数学に関する本を手にとってしまうことが多い。数学という学問にひかれているのもそうだが、数学者とよばれる人たちの生き方に強くひかれる。

 

証明できるかどうかわからない問題を証明することに、じぶんの人生のすべてをささげるような人たち。お金や名声といったものとは無関係な世界。

 

ポアンカレ予想を証明したグレゴリ・ペレリマンは、数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞の受賞を辞退した。彼のために用意されたメダルと賞金の100万ドルは、おそらく今も行き場を失って宙ぶらりんのままなのだろう。

 

この本のなかでは、ポアンカレ予想、それに挑んだひとびと、そしてそれを証明したペレリマンの人生について描かれている。

 

扱っている内容が内容だけに、数学の難しいことはよく分からない。それでも、ポアンカレ予想がどういうものであるのか、そしてそれがどういう歴史をへて証明されるにいたったかということを、一般のひとに理解できるように腐心した努力がうかがえる。

 

そのおかげで、一読すると、なんとなく分かったような気分になる。

 

ペレリマンは、若い頃は明るくて気さくな青年だったらしい。そして、ある時からひととの交流を一切絶ち、数学の研究に没頭するようになった。そして、それはポアンカレ予想を証明したあとも続いているようだ。

 

修行とよばれるものをする人間のなかには、世俗との交わりを絶ち、ひとりで取り組み続けるひとがいる。そして、数年、数十年という時間を経て、世俗の世界に戻ってきたりする。

 

ペレリマンも歳をとれば、考え方も気持ちも変わって、フィールズ賞のメダルを受け取りにくるかもしれない。