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読書と勉強に役立つブログ

これまでに読んだ本、これから読もうとしている本、勉強方法などについて書いていきます。

アルジャーノンに花束を(ハヤカワ文庫NV)  ダニエル・キイス

芸術・文学 小説

知識や教養があっても、ひとを思いやる心がなければなんにもならない。

 

自分自身、知識や教養を身につけようと思ってじぶんなりに本を読み、ようやくそのことに納得がいった。

 

むかし、通っていた塾の先生に「東大いこうがどこいこうが、そんなことは大した問題じゃない」と言われたことがあったけど、いまの僕はそのことに心の底から賛同する。

 

大した問題なのは、ひとの痛みをじぶんのことのように想像できる力をもつことや弱っている人間に優しさを示す勇気をもつとか、そういうことだ。それなしに知識を蓄えたり知能をあげてもなんにもならないどころか、世の中に災厄をもたらすことさえある。

 

しかし、知識や知能を鍛えることは奨励されているが、想像力や勇気、思いやりの心をもつといったことはあまり重視されていないように感じる。だからこそ、小説や文学というジャンルにおいて、これらがテーマになることが多いのだと思う。

 

人生における大切なことを伝えるために、ときとしてそれはフィクションである必要がある。それは絵空事ではなくて、ただ、現実世界では達成したり実現することがきわめて困難なものなのだ。

 

作者のダニエル・キイスが言うとおり、知識や教養が愛するひとびととの関係に楔(くさび)を打ち込むことになることがあるのだ。

 

そうして、いちど壊れてしまった関係がもとのようになる可能性はきわめて低い。

 

この小説が多くのひとに読まれ、共感をよんでいること。そのことに少しの希望をもつことにしよう。